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以下、土井先生ときり丸の話しです。すっごく生温いですが軽~~~~い
BL要素有り。
本当に軽いです
雨 雨 雨!!
「はぁ~~‥‥」
こんな日はバイトが少なくなるから嫌だ。
洗濯は勿論。犬の散歩や物売りも出来ない
やる事といったら家ん中でやるチマチマした内職
いつもは良いんだけど…
何か‥こぉ~雨の日って苛々すんだよなっ!!
「…………フゥッ‥‥」
まただ‥‥またきり丸が苛々してる
今日は雨だ……雨の日は必ずと言っていい程苛ついてる
「…………………」
一体何が気に入らないのか‥‥
きり丸……お前には笑っていて欲しいのに
「なぁ、きり丸‥」
「…………なんすか?」
「内職手伝おうか?」
「え…?‥‥何か珍しいっすね…先生が自分から手伝うなんて‥いつもなら俺からお願いするのに」
「まぁ…なんだ‥そんな気分だ」
「はっ………変な先生‥‥‥それじゃ、お願いします」
いや本当、先生には感心しますよ
「さっすが土井先生!!あっという間に片付いちゃったよ~」
「まぁな‥伊達にお前のバイトを手伝わされていないさ…」
「はは、そんな褒めないで下さい‥」
「あのなぁ。私は褒めてない!」
今日最初のきり丸の笑顔
ああ
なんだろ
今凄く
「………きり丸」
「はい?」
「‥おいで」
「…はぁ?先生、何言ってんすか」
抱きしめたい
「おいで‥」
「……………少しだけ、ですよ」
俺は
どうしても
先生のあの表情には
敵わない
「先生」
「?」
「‥‥暑苦しいから、ちょっと離れて」
「…あ‥ああ、すまない!」
「いや…………別に良いんだけどさ」
「なぁ、きり丸‥‥雨の音を聴いてごらん」
「‥‥?」
「‥こうやって心を穏やかにし‥雨の音を聴くと、中々いいものだと思えてこないか?」
静かな家の中に聞こえてくる雨の音は
何処に落ちてるのか
色んな音色を奏で
唄のように
耳に響く
「‥‥先生。俺、少しだけ‥雨が好きになったかも」
「そうか。」
-Fin-
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