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その頃、東京都港区にある区立赤坂図書館で夏服の制服に身をつつんだ少女が本を読んでいた。
少女「やっぱり、『街道を走り行く』はいいねぇ…光景が目にうかっ…ん?」
少女のポケットから声が聞こえた。
声「警視庁から入電中、警視庁から入電中。」
少女は慌ててポケットから携帯電話を取り出した。
「チリーン」
携帯電話には鈴がついており、夏の暑さに一時の清涼感を与えていた。
しかし、図書館という場所柄、マナーモードに設定していないその着信ボイスは、周りの図書館利用者の目を引き、少女は恥ずかしそうに携帯をしまった。
すると一人の男が近づき、少女に言った。
男「才ちゃ~ん。図書館では携帯はマナーモードにしてよぉぅ~。迷惑じゃないのぉ~。」
少女の名は「才」という様だ。
ちなみに男の胸には「佐藤安全」という名札がついている。
才「あ、図書館のおじさんごめんなさい💦じゃ、私行きますね💦」
少女は席を離れようとするが
男「あっ!本はちゃんと棚に戻してからいきなさぁ――い!!」
しかし少女は男の制止を無視「ゴメン!」と一言謝ると図書館を出た。
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