相棒はインテリ刑事⁉~犬の耳殺人事件

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しばらくして。 別室では事情聴取が始まっていた。 第一発見者の妻の芝遼狗子(しばりょういぬこ)49才と出版社の担当、戸締切太(こじまりせつた)42才である。 狗子「締切が近いと主人は徹夜をするので、いつもの様に、夜10時にコーヒーを煎れて書斎へ行きました。」 岡野「コーヒーというのは、あの毒の入っていた?」 狗子「はい、そうです。」 才「あのコーヒー、ちょっと香りが強いですよね?」 狗子「ええ、主人は甘くて香りの強いコーヒーが好きでしたので、ブラジル産の豆を使っていました。」 岡野「それで?」 狗子「はい、主人はいつも仕事中は鍵をかけていましたので、いつもコーヒーを持っていった時は中から主人に鍵をあけてもらっていました。」 才「その鍵に合鍵は?」 狗子「いえ、ありません。」 岡野「続けて。」 狗子「はい。私はコーヒーを主人の机に置き、部屋を出ました。」 才「その時、ご主人や部屋に何か変わった様子は?」 狗子「いえ…。ただ、なんとなく主人がうちひしがれている様な……元気が無い様な気がいたしました。」 岡野「なるほど。続けて下さい。」 狗子「私はすぐに、寝室に戻って寝ました。」
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