兆候

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既に休憩所を出て数十分。 道は崖っぷちの細い道になっていた。 無論杭とロープで転落を防ぐようにはなっていたが。 「危ないなここ」 冬哉が下を見て言う。 「落ちたら間違いなく助からないな」 崖の下は雑木林のようになっており、背の高い木に囲まれて日光も遮られている。 そして見た目より高さがある。 冬哉の言う通り落ちたらまず助からないだろう。 「まあ、自殺の名所じゃあるまいし…気を付ければ危険はないさ」 恵太が言う。 「ロープもあるしな。なあ優?」 潤も同意し優に話を振る。 だが優は生返事を返すだけでずっと下を見ている。
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