悪夢

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波間から浮かぶように、意識が覚醒する。 初めに目に入ったのは白い天井だった。 「……僕は…?」 優が目覚めたのを皮切りに、室内が慌ただしくなった。 どうやら病院に運ばれたらしい。 その後優は検査を受け、すぐ退院になった。退院の準備をしてる間、優は最も気になった事を親に尋ねた。 「母さん…三人は…?」 声が震えているのが分かった。聞かなくても、分かっていた。 …返って来た返事は、優の想像と何一つ違わなかった。 …三人は崖から落下しほぼ即死、優は後に来た登山客に発見され、病院に運ばれたらしい。 「…恵太…潤…冬哉…」 悲しいと思うのに涙は出ない。 立て続けに非現実的な事が起こると涙も渇れるものなのかな…? 優は退院し、自宅に戻った。居間でテレビを見た時、見覚えのある山がテレビに映る。 「……!!」 親が慌ててチャンネルを変えようとする。 だが、手遅れだった。
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