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「許せ優。そもそも起きないお前が悪い」
冬哉は掴んだ手を離した。
ゴン!と鈍い音がした瞬間優の意識がようやく覚醒した。
「…痛いよ冬哉…」
「起きないお前が悪い」
あっさり言う冬哉に優は何も言い返す気になれずに周りに話題を振った。
「それで何か用?」
優の言葉に、思い出したように潤が言う。
「来週の日曜に見晴らし山に登らないか?」
「…本題を忘れるなよ」
恵太のツッコミが冴える。苦い表情で恵太を見る潤。
「いいよ。来週の日曜だね」
優は山登りを快諾した。
…この選択が後に悲劇を引き起こす事になるとは、この時はまだ誰も予想していなかった。
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