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「はぁ…。」
飛び出したのはいいが、資料の片付けをほとんどしないまま、帰る訳にはいかない。
第2図書室にいたのは、確かに情報の先生だ。
…でもなんであんなとこに。
誰もいない渡り廊下を歩きながらぼんやり考えていると、前方から大量な資料を持った先生が近付いてきて、
「お!早いな!じゃぁコレも頼む!」
ドサドサと両手に再び資料が置かれる。
「ぇ…ぇえー!?」
また戻るの!?無理!
と言おうとした時にはもう遅く、先生はスタスタと職員室に向かってしまった。
ポツンと一人残され、流石に情けなくなった。
?ガラガラ…
ゆっくりと滑りの悪い戸を開ける。さっきと何の変わりもない教室を見渡し、ゆっくりと足を踏み入れた。
さっきまで資料を置いてあったら机に向かうが、
「え、嘘、なんで!?」
資料はひとつも残っていなかった。
「そこにあった資料なら全部整理しといたよ。」
低くて、気怠そうな声が頭上から振ってきた。
「…!?」
とっさに振り向く。
声の主はもちろん…
「人の顔みて叫ぶなんて失礼だよ、君。」
さっきまで寝ていたあの男だった。
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