第2図書室

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莉子は固まったまま、動けなかった。 状況が飲み込めないままの莉子を無視して、男は両手にある資料をひょいと持ち上げた。 「俺がやっとくから、君帰りなよ。」 「…ぇ、でも…、」 「俺さ、ココに他人がいるのすげー不愉快なんだよね。」 ………………は? 「ふ…不愉快…?」 「誰も出入りしなくて、絶好の昼寝スポットだったのになぁ。」 男はブツブツ言いながらも資料を棚に戻していく。 「そっ…あんたそれでも教師!?」 「教師だって人間だし。」 信じられない。 こんなのが教師なの!? 莉子はギュッと拳を握り、逃げるように部屋を出た。 「信じられない!なんなのアイツ!」 帰りながら頭に浮かぶのはあの男の顔とあのセリフ。 『不愉快なんだよね。』 ただただ、胸が痛くて。 「…嫌な奴…。」 莉子はもう二度とあの場所に近付かないことを心の中で誓った。
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