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月明かりでさえ照らすことの無い夜。
太陽を好む者は夜には行動しない。
なら、闇を好む者はこの時を待って行動する。
新月と呼ばれる今日、日本と呼ばれる島国のとある町で、彼等は動いていた。
街から離れた郊外の森の中。
ここには神が祭られており、秋になると祭りが開かれる神社だ。
普段はお年寄りや子供が来るだけで、それ以外は静まり返ってる。ましてや、夜中に居るはずも無い。
しかし今夜は違っていた。闇に紛れて、数人の人間が居た。
「約束のブツは、ここのケースに入ってる。おい」
黒ずくめの格好をした男達が三人居た。一人は小太りで、一人はノッポ。真ん中に立って偉そうにしてるのが親分格の男だ。あまりにも分かりやすい構図だが、本人達は気にしていない。
小太りの男とノッポの男は命じられたままにケースを開ける。そこには何やら角らしき物や植物らしき物が並べられていた。どうやらこれが商品らしい。
相手側は背も高く威圧感を隠そうとしないような大柄な男と比べたら小柄に見えるが、それなりに大きい女が居た。この二人も黒ずくめの格好をしている。
「良いわ。では、こちらの代価は……」
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