41人が本棚に入れています
本棚に追加
手を上げると大柄な男はケースを一つ、彼等との中央の位置になる場所に持って行きゆっくりと開く。ケースの中は、宝石や金塊で埋め尽くされていた。日本円にすれ
ば数十億はくだらないだろう。
「……おい」
再び部下の二人に命じ二つのケースを中央に持っていき、代わりに金塊などが入っ
たケースを持っていこうとした瞬間──
「特殊警察だ! お前等を異世界違法取引法 第3条に基づき逮捕されてもらう。抵抗は無意味だ」
そう叫んだ瞬間、森の至る場所から蒼を強調した制服に身を包んだ人間が飛び出してくる。あまりにも咄嗟の事だったので、その場に居た五人は対応に一秒を費やした。
その為、親分格とノッポと小太りの男はあっさり捕まった。あの大柄な男も健闘したが、すぐに地面と抱き合う事になった。
先程の女も周りが一気に包囲され、絶体絶命のピンチに陥ってる。
「ちぃ! まさか特警とやらがこんなにも早く動いてたなんて……」
冷や汗を掻きながら周りを見るが、どこにも自分が逃げ出せそうな逃走経路は無い。
「ジュネル=ランパーソン。異世界違法取引違反、違法魔術・儀式実行法違反、並びに連続誘拐事件の最重要候補として、お前を逮捕する。抵抗も自殺も無駄だ。すぐに蘇生して吐いてもらうからな」
最初のコメントを投稿しよう!