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礼状を出しながら自信たっぷりと、比較的気安い声で喋ってるのは『近藤 三郎太』という名の男だ。その格好はやはり他のメンバーと同じく蒼を強調した制服だ。しかし、その爽やかな顔と髪型から少々ミスマッチを引き起こしている。
多少奇天烈な格好だが、これが特警──世界保安法委員会直属特殊警察組織の正式に決まっている制服なのである。腰には魔法によって強化された銃が装備されている。
「捕まらなければ、同じ事さ!」
そう、ここで彼女が考え出した苦肉の策は、この男を人質にして何とかここを切り抜けるというものだった。
物凄い速さで迫ってくる彼女にも眉一つ動かさないで立っている。両手も礼状を出したままだ。
(やれる。所詮は特警と言っても、魔術で強化された私にはついてこれな……)
彼女の思考もそこまでだった。いつのまにか彼の右手には銃が握られており、それから発せられた光が彼女の首を切断したのだ。
そのまま勢いでずっこける体。頭は中に舞い、男がバスケットボールのように掴み取る。
「自殺が無意味って事は、殺す事も禁止されて無いっって事さ。ミス・ジュネル」
既に捕まっていた四人の男達は揃って青くなる。その刑事は何事も無かったように彼女の頭をビニール袋に入れると、手馴れた手つきで本部に連絡するのだった。
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