一歩目【17歳、春】

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なーんてことはなく…… 当然ながら 其処には誰も居やしなかった。 だからといって、 別に珍しいことじゃない。 だから 寂しいとも感じない。 要するに いつものことなのだ。 『あの人』がいないのは。 テーブルにある四つのうちの一番手前、 ドア側の椅子を引き出す。 テーブルの上には、 作り置きの料理と一枚のメモ。 あたしは、 手を伸ばしメモを取った。 けれど、 それを読むことはせず、 そのままぐちゃぐちゃに丸める。 『はい!あっという間に、紙団子の出来上がり!』 とか、騒いでいたのは 最初の一回目だけ。 今はもう 見るだけで嫌気がする。 毎回同じ文章なら、 もう書かなきゃいいのに。 ホント、 資源がもったいない。
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