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「面白い。では聞かせてもらおうか。一体俺はどうやって君達といながら大沢君達を殺せたんだ?」「決まってるじゃないですか。大沢さん達を探しに行ったときですよ。」「馬鹿馬鹿しいな。君は俺が殺しに行くために森に入ったと言いたいんだろう?考えてみろ。もし、彼等が既に帰ってきてる途中で、別れ道より前に戻ってきてたら、殺せないじゃないか。そんな計画があるか?」「彼等が戻って来なかったのは偶然じゃありませんよ。」「何だと?」「すっかり騙されましたよ。竜崎さん。ホントはあの時、全然30分もたっていなかったはずです。人は、待ってる時間は長く感じるものです。さらに、あの時は竜崎さんの通り魔の話を聞いていた。俺達は少し大沢さん達が心配になっていた。あの状況で来るのが遅いから何かあったかもしれないと言えば、例え時間がそこまでたってなくても誰も不自然に思わない。時計を見ていなければ、多少の誤差はいくらでもどうにでもなりますからね。竜崎さんは別れ道を過ぎるぐらいの頃合いを見計らって、森に入ろうと言い出したんだ。」
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