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「通り魔の仕業に見せ掛けるためです。それと、もう一つ。左手を持ち去るのに不自然さを感じさせないためです。竜崎さんはどうしても左手をもちさらなければならなかった。いや、正確に言えば、左手についてるものです。」「それは何だ?」「腕時計です。竜崎さんは、おそらく南さんを殺した時、誤って腕時計を壊してしまい、時間が止まったままになってしまったんだ。ホントの犯行時刻がわかってしまったら、万が一誰かが時間を確認しながら行動してた時、自分が疑われると思った。なにせ、森に入った理由は時間が遅いからというのが嘘とばれてしまったら、本来の肝試しのコースである真ん中の道に唯一進んだ自分が1番怪しく思われますからね。いなかったというのは嘘で殺してたんじゃないかと疑われると思ったんだ。」「…」「そして左の道に死体を置いたのは、そのまま真ん中に置いといてしまったら、自分が疑われるからです。」「…」「話を戻します。森に戻った竜崎さんは、死体を左の道に移動させ、バラバラにし、左手をどこかに隠した。ホントなら、この時点で竜崎さんは宿に戻るつもりだった。しかし、ここで予定外の事が起きた。大沢さんたちを心配した熊谷さんが、来てしまった事です。」
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