始まりの朝

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「被害者は毒殺されてたんだろ?」「う、うん。」「毒殺による大きな利点…何かわかるか?」麗奈は少し考えたようだがどうやら思い付かないようだ「…わかんない。」「毒殺の場合、毒をあらかじめ仕込んでおけば、どれだけ離れても殺せるだろ?」「あっ、確かにそうだね。」「だとすると妙だと思わないか?誰が仕込んだかわからないのに犯人のメッセージを残せるってのは。」「あっ、そうか…でも待って。犯人が現場に確実に行ってないっていう事はこの問題を見てもわからないよ。」「確かにそうかもしれないな。でも根拠はもうひとつある。ニコチンで毒殺されていたんだろ?ニコチンは、即効性のある毒物だ。体内に入ったらもう即死だよ。その状態で鉛筆をAの形におくのは無理だ。つまり、このメッセージは犯人がわざと残したフェイク…つまり偽物のメッセージだ。」「…なるほど。」「なら話は簡単だ。犯人が残したものならこのメッセージに一番関係ないやつが犯人てわけだ。それに、医者なら、一般の奴より、多少なれどニコチンも入手しやすかったはずだ。」「す、凄い!龍頭いいんだね!」麗奈に頭の良さを褒められたのは初めてだな…「次で最後にするね。時間的にちょうどいいから。」「あぁ。」
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