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「キャー‼」
その後一瞬ガラスが割れるような音がした。
「……何だよ……まだ夜じゃねぇか。」
「何よ……?」
竜之介と華夜は眠そうに後ろから岬の椅子を覗きこみながら言った。
「美波が……美波が……。」
そこには佐々岡美波の死体が倒れていた。
窓は開いていて、彼女は窓際にもたれるように倒れていた。
彼女の服には血が着いていて、吐血の跡が鮮明に残っていた。
その時高峰竜之介は実感した。
母さんや華夜が言った通り……事件は実際に起きてしまったんだ。
「何の騒ぎだこれは?」
「あんたは?」
「俺は警察の稲本だ。
……⁉」
「見ての通り起きちまったんだ……事件がな……。」
「そんな……美波が……。」
華夜は竜之介の隣で泣いている。
「……。」
「私はこの近くの警視庁で警部をやってます稲本孝明だ。
今回の事件あんたがやったんだな?」
「え……😢私……ち…違う。」
辺りは沈黙した。
その警部が隣にいた岬を指差したからだ。
「まあ普通の考えだろうな😖
隣に座っていた奴が疑われるなんて自然な事だし。」
竜之介が言う。
「そんな……竜之介酷いよ……😢」
岬が言う。
「それに証拠なら有るんですよ。」
「…………。」
「そこに落ちてたガラス製の注射器……少し割れてるだけで指紋を見る事は出来ました。
それを照らし合わせれば……。」
「違う‼私じゃない‼」
「話は署で聞こう。」
「岬が連れて行かれちゃう……。
竜之介……あんた推理小説オタクなんだからなんとかしてよ‼」
「無理だね😒
俺は普通の高校生だ。
それに警察が俺の話しなんて聞くかよ😒」
竜之介はそう言って目をそらした。
「お願い……岬を助けてあげて……私……岬の友達だから…捕まるとこなんて見たくない。😢」
華夜は泣き出した。
「ったく……相変わらずお人好しだな😒
でもまあ……旅行のお礼も有るしな……。」
「竜之介……。」
竜之介はそう言った後に辺りを見回した。
「待てよ警部のおっさん。」
「おっさんじゃない‼お兄さんだ‼」
「岬を捕まえるのはまだ早いんじゃないのかい?」
「何だと⁉」
ついに高峰竜之介は動き出した。
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