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雄二は、高校1年生の熱い青年である。
卓球の腕は県で3本の指に入る実力をもち、堅気で男前であり、なにより体格もガッチリとしてて心強いのである。
そんな雄二に心寄せる一人の女の子がいた。
名を町子といい、世界の純粋をまとめた感じで、おさげの可愛い女の子だ。
雄二のいる卓球部は正確には、8人いるのだが、実際に部活動をしているのは雄二だけだ。
あとの7人は3年生で、全員が学校を仕切る、末恐ろしいヤンキー達なのだ。
逆らえば、死。
「反抗=死」
この方程式ほど、この学校で有名なものは、ないのだ。
そして、この方程式をつくったのが部長であり、不良の頭でもある、石田鉄男なのだ。
目があえば、半殺し、半径20m以内に入れば爪を深爪に、してしまうほどの暴れ馬である。
雄二はそんな学校に、嫌気がさし、部の活動を止めて、鉄男を倒し、この不良学校をがり勉校にすることを誓ったのだ。
雄二の厳しい挑戦は練習を終えたあとの、この部室で始まったのだ。
雄二は震えていた。
恐さや不安からではなく、希望で溢れた未来を見据えた志しからの武者震いだった。
雄二は周りの為に…ではなく、男としてやらねばと考えて決意したのであった。
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