10人が本棚に入れています
本棚に追加
少したって離れた2人は、ぎこちなく小指を絡めた。
「…覚えてる、よな?」
「ああ…指きり、だろう?」
「そうそう」
『指きり げんまん 嘘ついたら 針千本 飲ます 指きった』
まるで小さな子供のように、2人で歌を唱えて指を離した。
「さすがに針千本はきついからな。ぜってぇ守らねえと」
「ああ、そうだな。…ところで将臣」
「ん?何だ、九郎」
「この指きりというものは約束を破ったら針を千本飲まされるんだろう?」
「まあ、そうだな」
「では、約束を守れたらどうなるんだ?」
「そうだな…じゃあ」
「えっ!?」
いたずらっ子のような顔でくすりと笑った将臣は、ぐいっと九郎を引き寄せ、こめかみに口付けを落とした。
「ま、将臣!?///」
「約束守れたら口付け千回、っていうのはどうだ?」
「なっ…!!///」
「ぷっ…くく…わりぃ、じょうだ…っ!?」
耳まで真っ赤になった九郎が可愛くて笑いをこらえながら将臣が離そうとすると、今度は一瞬だけ将臣の唇に口付けが落とされた。
もちろん、相手は九郎しかいない。
最初のコメントを投稿しよう!