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朝日がまぶしい朝、心地いい目覚めでわたしは朝を迎えた。
「ふぁ・・・あぁ・・・」ムニャムニャ・・・
よくあるマンガみたいなあくびをして、まだ温かい布団を出る。
今日はいい事あるかな?
そう思いながら一階の洗面所に向かった。
「あら、命、今日は早いのね」
お母さんがトーストを焼きながら声をかけてきた。
「うん。珍しく、いい目覚めだから自分で起きてきたの」
少し自己紹介がおくれたけど、わたしの名前は来華 命。読みは"らいか めい"って言って、命の大切さを知ってほしくてつけた名前らしいの。
ちなみに涼高中学校一年生、好きな食べ物は甘い物です♪
洗面所に行き、朝のしたくを済ませ、食事をしたあと、すぐに家を出て学校に向かった。
いつも通っている通学路だけど、今日は特別新鮮に感じる。
「おはようメイちゃん」
少し控えめの声が私を呼び止めた。
「おはよう葵ちゃん!」
彼女の名前は小林 葵ちゃん。読みは"あおい"って読むの。
「どうしたの?なんか機嫌よさそうだけど・・・?」
「えへへ、解る?」
どうやら朝気持ちよく起きられた事がそのまま顔に出ていたらしい。
「今日ね、珍しく自分で起きれたんだよ!」
「へぇ、すごいね!ようやく自分で起きられるようになったんだね」
そう言ってくれる葵ちゃんは毎朝ちゃんと早起きしているのに、まるで嬉しいことがあったかのように喜んでくれる。
「わたし、朝はどうもダメなんだよね~」
「ふふ、メイちゃんらしいね」
そんないつもの会話をしていたら、いつの間にか校門に着いていた。
「それじゃあメイちゃん、またお昼にね!」
そう言うと、葵ちゃんは自分のクラスに駆け込むように入っていった。
「わたしも早くクラスに行かなきゃ、遅刻しちゃう!」
そう思い、共通廊下を駆け足で走っていると、急に何かにぶつかる感覚がした。
ゴンッ
いてて・・・
そう心の中で呟くと、わたしは目の前の物体に仰天した。それはよくある動くぬいぐるみだった。
別におもちゃのぬいぐるみなら動いても驚かないが、そのぬいぐるみは、突然しゃべりだしたのである。
「いたた・・・、やっちゃったガウ」
わたしは遅刻のことをすっかり忘れてそのかいじゅうのぬいぐるみに釘付けになるのだった。
「まだ誰にも見つかってないガウ!早くここから立ち去るガウか!」
「あの~、キミ、ぬいぐるみだよね?」
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