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「ねぇねぇ、うるさいよ!ズッコケ三人組!」
『古ッ!!!!』
三人での同時のツッコミ。今日は冴えてる。
話しかけてきたのは中澤加奈子。
セミロングの髪、小さな顔、背はあまり高くはない。
性格はかなりいい方だろう。
俺は嫌いじゃない。
「出たな、奇怪おババの謎!!」
雅也が笑いながらそう言った。
「誰が奇怪で、誰がおババだって!?」
加奈子が顔を真っ赤にして怒った。
隣の雄太は腹を抱えて爆笑している。
「まぁまぁ、落ち着けよ加奈子!」
悠人が仲介に入る。
「あのねぇ、悠人はどっちの味方なの?」
加奈子は腕を組んで俺を睨みつけた。
「俺は…ほら…正義のみか…」
ドスッ。
「ぐはッ…」
悠人は腹を抱えて地面に崩れ落ちた。
「面倒臭いから、そういうの!」
加奈子のパンチは重い。改めて実感した。
雄太はまだ爆笑している。
雅也は相変わらずおババと連呼していた。
「あ、これ、借りてたCD!返すわ!」
そう言って加奈子はCDを悠人に渡した。
「この状況で…よく渡せるな…」
悠人は死にそうな声を出して手を伸ばした。
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