不思議・一

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「ねぇねぇ、うるさいよ!ズッコケ三人組!」 『古ッ!!!!』 三人での同時のツッコミ。今日は冴えてる。 話しかけてきたのは中澤加奈子。 セミロングの髪、小さな顔、背はあまり高くはない。 性格はかなりいい方だろう。 俺は嫌いじゃない。 「出たな、奇怪おババの謎!!」 雅也が笑いながらそう言った。 「誰が奇怪で、誰がおババだって!?」 加奈子が顔を真っ赤にして怒った。 隣の雄太は腹を抱えて爆笑している。 「まぁまぁ、落ち着けよ加奈子!」 悠人が仲介に入る。 「あのねぇ、悠人はどっちの味方なの?」 加奈子は腕を組んで俺を睨みつけた。 「俺は…ほら…正義のみか…」 ドスッ。 「ぐはッ…」 悠人は腹を抱えて地面に崩れ落ちた。 「面倒臭いから、そういうの!」 加奈子のパンチは重い。改めて実感した。 雄太はまだ爆笑している。 雅也は相変わらずおババと連呼していた。 「あ、これ、借りてたCD!返すわ!」 そう言って加奈子はCDを悠人に渡した。 「この状況で…よく渡せるな…」 悠人は死にそうな声を出して手を伸ばした。
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