不思議・二

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「おい、雅也!!」 悠人は流し台のところでうずくまっている雅也を見付けた。雅也は何かに脅えるようにガタガタと身体を震わせている。 「どうしたんだよ、お前らしくない」 「で、出たんだよ…」 「何が?」 「さ、冴子…」 まさか、早くもその名を聞くとは思わなかった。 冴子。一体何者なんだろうか。 冴子が出たということは… 「雅也、立て!雄太が危ない!」 悠人は雅也を無理矢理立たせ、戻ってきた廊下をまた走り出した。 暗い廊下はさっきよりも長く感じる。きっと、月が隠れて余計暗くなったせいで恐怖感が身体を押さえ付けているのだろう。 だか、そんなことなど言っていられない。雄太が危ない。何が起こるか分からないから怖い。 悠人は自分の持つ最速スピードで準備室を目指した。 「くそッ!!いない!!」 準備室についた悠人と雅也は中を見渡した。 中は若干ながら荒らされた様な形跡があった。ということは、机を運び出しているに違いないかった。 「雅也!!探すぞ!!」 「あ、あぁ」 二人は階段を駆け上がった。準備室は一階。校舎は四階建て。二階が三年の教室、三階が二年の教室、四階は一年の教室となっている。 とりあえず、二階から探すことにした。 「よし、雄太を探そう!!…ん?なんだこの臭い…」 「これは…線香だ!!」 「なら、この階のどこかにいるはずだ!線香の臭いを追おう!」 二人は線香の臭いを追って行った。
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