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少し歩き、グラウンドの真ん中で雄太を下ろした。
「おい、雄太!おい!」
雅也が頬をバシバシ叩く。ただ気を失っているだけのはずだがなかなか目が覚めない。
悠人達はだんだんと不安になっていった。このまま目が覚めないんじゃないかと。
「起きろよ!雄太!」
雅也は肩を揺らし、足を叩き、と色々なことを試す。しかし、雄太は起きなかった。
仕方なく雅也は雄太を背負い、家に返すと歩き出した。
「悠人、このバカは俺が責任を持って家に帰して来るからお前はもう帰りな!」
雅也は親指を立てて悠人につき出した。
「俺も行く!」
悠人は食い下がった。
こうなったのは自分が離れてしまったからだと雅也に言ったが首を横に振られてしまった。
「それを言うなら、俺があんなところでビビってなかったらこんなことにはならなかっただろ!まぁ、こいつの親とも仲がいいし、任せろよ!」
悠人は辛くも頷いた。
「分かった…じゃあ、頼んだ」
雅也はおうと言って家路についたのだった。
それにしても、何故起きないのだろうか。もう起きてもいいはずだが。
悠人は不安なまま家を目指して暗い夜道を歩いていった。
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