不思議・一

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「じゃ、今日俺が先輩から七不思議聞いてくるから、部活終わったらメールするわ!」 そう言って雄太は部活へ向かった。 帰宅部の悠人は家に帰ろうとしていた。 「さてと、俺も部活出るかな!」 そう言うと雅也は大きめのバッグを片手でひょいと持ち上げた。 「じゃ、今日メールで!」 「おう、頑張れよ!」 悠人はいつの間にか一人になった教室を見渡した。キレイに整頓された机、溝までキレイになった黒板、一ヶ月間見ないと思うと少し寂しい。 「じゃあな、教室!」 「あれ、悠人?」 悠人が振り返るとそこには加奈子が立っていた。 「ん?お前部活は?」 「今日は休み!」 そう言って自分の机をあさり出した。 「忘れ物しちゃってさ…あったあった!」 「聞いてないけどね…」 「何か言った?」 「いや、何も!」 悠人は思った。こいつの耳はデビルイヤーだと。 「悠人ひとり?」 「あぁ、いつも通りな!」 「寂しい人…」 「うるせぇな!」 「冗談!今日は私もひとりなんだ~」 「そうなんだ、変なおじさんに気を付けろよ」 「え?ここにいるじゃん!」 「うるせぇよ!」 「じゃ、またね!」 「あぁ、夏休み楽しめよ~」 「ふっ…悠人もね!」 そう言って加奈子は走って行った。 やっぱ楽しいな、あいつと話すの。 悠人は体を伸ばして家路についたのだった。
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