78人が本棚に入れています
本棚に追加
ピピピピピ。
携帯の着信音が鳴り出した。
悠人は机に置いた携帯を手に取った。
『七不思議仕入れたぜ!明日の夜、とりあえず学校に行こう!そこで教える!じゃあ、明日の10時に学校集合な!』
雄太のメールにしては長かった。いつもなら『明日夜10時学校』とだけしか打たないが、それだけやる気なんだろう。
「明日か…楽しみだな…」
悠人はそのまま眠りについたのだった。
次の日の夜。
夜なのにムシムシと暑いのはこの日本の気候のせいだ。なんて国に生まれたんだと思いながらも、海外で生活したいとは思わなかった。
後10分で10時だ。
雅也と雄太は時間ぎりぎりで来るから後9分は待たなければならない。
と、その時だった。
何かの視線を感じた。
周りを見渡しても誰の姿もない。
そう言えば、犬の遠吠えも聞こえなくなった。
突然訪れた静寂に悠人は戸惑った。周りを何度も確認する。だが、やはり何もない、誰もいない。
そんな不安を抱きつつ、悠人は二人を待った。
すぐに二人とも現れたのでよかった。
二人が来た頃くらいから遠吠えも聞こえるようになっている。
何だったんだろうと思うが気持ち悪いので二人には黙っておいた。
最初のコメントを投稿しよう!