不思議・一

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ピピピピピ。 携帯の着信音が鳴り出した。 悠人は机に置いた携帯を手に取った。 『七不思議仕入れたぜ!明日の夜、とりあえず学校に行こう!そこで教える!じゃあ、明日の10時に学校集合な!』 雄太のメールにしては長かった。いつもなら『明日夜10時学校』とだけしか打たないが、それだけやる気なんだろう。 「明日か…楽しみだな…」 悠人はそのまま眠りについたのだった。 次の日の夜。 夜なのにムシムシと暑いのはこの日本の気候のせいだ。なんて国に生まれたんだと思いながらも、海外で生活したいとは思わなかった。 後10分で10時だ。 雅也と雄太は時間ぎりぎりで来るから後9分は待たなければならない。 と、その時だった。 何かの視線を感じた。 周りを見渡しても誰の姿もない。 そう言えば、犬の遠吠えも聞こえなくなった。 突然訪れた静寂に悠人は戸惑った。周りを何度も確認する。だが、やはり何もない、誰もいない。 そんな不安を抱きつつ、悠人は二人を待った。 すぐに二人とも現れたのでよかった。 二人が来た頃くらいから遠吠えも聞こえるようになっている。 何だったんだろうと思うが気持ち悪いので二人には黙っておいた。
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