不思議・一

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「じゃ、言うぞ!」 そう言って雄太はポケットから一枚の紙を取り出した。そこに書いてあるのか、指で確認しながら話出した。 「まずは、真夜中のランナー。昔、死んだ陸上部の霊がトラックを走ってるんだって。次は体育館倉庫の鏡。夜の12時に見ると死ぬ間際の自分の顔が写るらしい。次は保険室の一番奥のベット。心臓麻痺で死んだ女の子の霊が出るみたい。四つ目は理科室の霊。昔、職員内いじめで自殺した化学の先生の霊だと。五つ目は人食い桜。その桜に名前を彫ると食われちまう。六つ目はトイレの花子さん。これは…言わなくても分かるだろ。最後は冴子」 雄太はそこで一旦話を止めた。 「何なんだその冴子って?」 雅也が雄太を促した。 すると雄太はうんと頷き、ゆっくり話出した。 「一昨日、侵入事件があっただろ?実はこれをやりたかったらしい」 「やりたかった?どういう意味?」 悠人は雄太に説明を求めた。 「昔な、冴子って女の子がいじめられて首を吊って死んだんだ…その時に自分の机を台にして首を吊った。それから、その冴子の机に座った人は不慮の事故で何人も死んでるんだ。それを先生達も気味悪がって、準備室にしまったんだ。その机を冴子が座ってた場所に置いて、線香を焚くと冴子が現れるんだってさ。だけどな、机を準備室から持ち出す時に声がするらしい。『ワタシノ机ヲ元二戻シテ』って」 二人はゾッとした。 雄太の話し方も上手かったが、何かに睨まれた様な感覚に襲われたのだ。 そして、雄太は何かに取り憑かれる様に学校へと向かって行った。 「おい、雄太!」 「ん?どうした?」 「やっぱ止めないか?」 悠人は嫌な予感が頭から離れず、雄太を止めようとした。 「今更ビビっても遅いぜ!行くんだよ!」 仕方なく二人は雄太についていった。
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