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「ひっひっひ、こんな所に獲物が飛び込んでくるとはのぉ」
老人は掠れた声で嬉しそうに呟くと、俺のほうへゆっくりと近づいてきた。
「ひっ……、く…来るな……」
俺は必死に後ずさるが恐怖の為、思うように身体が動かない……。
不意に、老人の動きが止まる。さっきまでの不気味な笑みが消え、険しい表情になっていた。
「お主、『封魔の書』を持っておるな?契約前の人間か。契約される前に始末しておくかのぉ」
「っ!?」
次の瞬間、老人の身体に異変が起きた。身体が歪み、別の姿へと変わっていく。
「あ…ああ……」
その異様な光景を俺は恐怖に支配された目で、ただ見ていることしか出来なかった……。
老人は目の前で、髑髏の顔に異形の身体、大きな鎌を持つ死神のような姿へと変わった。
「わしはソウルレイス。小僧、下賎な身で我が鎌で死ねる事を光栄に思うがよい」
ソウルレイスはゆっくりと近づいてくる。手に持つ鎌が怪しい死の光を放っていた。
俺の目の前まで来ると、おもむろに鎌を振り上げ一気に振り下ろした。
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