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情けない話だが俺は目を閉じ、身を固くして鎌に斬られるのを待つことしか出来なかった……。
「……?」
ところが、振り下ろされたはずの鎌はいつになっても俺のところへは来ない。
恐る恐る目を開け、顔を上げると俺の目の前には1人の女性が立っていた。
紺のスーツに身を包んだ、ストレートの黒髪の女性が俺とソウルレイスの間に割って入り鎌を掴んでいた。
「悪魔の気配を感じてきてみれば……」
女性はそういうと、俺のほうをチラッと見た。
「あなた、『封魔の書』を持っているわね?その様子だと契約はまだみたいだけど」
「ふ……『封魔の書』?契約?な……何のことだよ?」
女性はため息をつきやれやれといった感じで言った。
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