1・始まり、それはある日突然に

11/13
前へ
/18ページ
次へ
 再び呪文を唱えると突風が吹き、人間の体に2対の鳥の翼と獅子の顔を持ち、獅子の前足、鷲の爪、サソリの尾のある悪魔『パズス』が現れた。 パズスは光に包まれると2本のダガーとなり沙耶の手へと収まる。  「風の魔神まで封印したというのか!?」  ソウルレイスの声が震え、信じられないものを見るかのように沙耶を見ていた。  「待たせたわね!」  そう短く言うと、沙耶はソウルレイスに斬りかかっていく。 ソウルレイスは鎌を振り上げ沙耶を迎え撃とうとするが、沙耶は素早く攻撃をかいくぐり懐へと潜り込んだ。 至近距離から沙耶のダガーが一閃する。  「うぐっ!」  避けられず、まともに斬撃を受けよろめいたところに沙耶は次々に攻撃を放っていく。 俺は目の前に起きている事が信じられず、その戦いを呆然と見ていた。  (なんだよ……これ…、俺は夢でも見ているのか……)  そんな俺を尻目に戦いは続いていく……。 素早い動きで相手を翻弄し、相手を追い詰めていく沙耶。 そして、ソウルレイスはついに鎌を落とし膝をついた。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加