2・契約

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 大学の講堂で俺は教授の話をそっちのけでボーッと考え事をしていた。 考えていた事はもちろん図書館での出来事だ。 あれから1週間……、沙耶の言葉が頭から離れない。  『あなたは封魔の書のことも契約者に課せられる運命も知らない』  契約者に課せられる運命?沙耶は一体どんな運命を課せられたんだろう……? 考えても何も分かるはずもなく、ただ時間のみが過ぎていった。  そんな俺を見つめる影があった……。 その影は遠くから俺を見つめ興味深そうに呟く。  「ふむ、彼はなかなか面白い逸材ですね。もう少し見定めますか」  考え事をしていた俺はその時、その影の事を知る由もなかった。
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