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(開館時間を過ぎてるのに受付に係員すらいないなんて変だ!)
その時俺はその場から逃げていれば変わらない日常を送れたのかもしれない……。
人を探すため図書館の奥へと進んだ…。この行動がこれから始まる非日常の始まりだという事をその時は知る由もなかった。
「誰か居ないのか?」
不安を隠すように周りの空間に声をかける。返事はない。
なまじ声を出した事で静寂さが増し、より一層不気味な雰囲気を作り出していた。
心臓の鼓動が耳につく……。それでも、図書館の中を動き回った。
そして、ある一画に辿り着いた時不意に気配を感じた。
「だ…誰か居るのか?」
恐る恐る気配のするほうを覗いてみると、そこには1人の老人が立っていた。
老人はゆっくり顔を上げると俺のほうを見た。
その瞬間、俺は恐怖で凍り付いてしまった……。
俺を見る老人、その目は空洞で眼球がなかった……、そして不気味な笑みを浮かべている……。
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