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「ひぎゃあぁぁぁぁあ!!!」
トイレの奥から康弘の悲鳴が響いた。
「康弘ぉっ!!!」
堪えきれず、隆彦がトイレの闇の中に飛び込んだ。
「ま、待って……」
早苗の制止の声は届かず、足音だけが向こうから聞こえ、そして、
「何だコイツ……なっ、逃げっ、うわあぁぁぁあああっ!!!」
悲壮なまでの断末魔が響き渡った。
残ったのは真紀と早苗の二人だけ。
……逃げなくては。
そう思いはするも、懐中電灯も無く、暗闇を歩くことなど二人には既に不可能なことである。
校舎には今再び沈黙が満ちた。
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