2.無知な小学生

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  それからの俺は家庭での次男にたいする対応が変わっていった。     次男を俺よりも下の立場として扱い、何かイライラする事があったら次男にあたったりしていた。     言葉をちゃんと話せない事をいい事に、勝手に次男の物を自分の物にしたりしていた。       そんな状況が一年くらい続いた。        だが、いつだっただろうか。       その日も次男にあたっているとその現場を母親(以後おかん)に見られた。     「あんたどういうつもり!?」     おかんはどなった。     俺は、何を思ったのか     「いいじゃん、どうせ何も分かんないんだから。俺とは違うじゃん。」   と反論した。まるで自分は何も悪くないかのように。     バチン。     ものすごい音が家に鳴り響いた。     おかんは呆れたような表情だったが、どこか涙目だった。     「あんたそんな風に兄ちゃんをみよったの!?兄ちゃんだって怒る事も出来れば笑う事も出来るでしょ!あんたと何が違うんか!!」     …俺は黙っていた。     「障害者だからってあんたと何が違うわけでもないだろ!毎日あんたと同じで生きてるし、毎日をがんばってる!あんたに人を馬鹿にする権利とかあるわけ!?」       それから一時間以上おかんから色々説教をされた。     そして俺は泣きだした。     おかんが怖かったのもあるけどなにより、次男にしてきた自分の行動に落胆したのが何より…。     その日から俺は自分の考えを少しずつ見直しはじめた。     次男だって俺の兄貴。俺より人生の先輩なんだ。俺よりも人間の汚い所、優しい所が分かってるんだ……と。     それからの俺は次男と普通通りに生活していけた。     そして見方が変わったからだろうか、障害者というのがどういう事か分かってきた。     そして俺は小学校高学年になり次男は中学生になった。    
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