123人が本棚に入れています
本棚に追加
通学・通勤ラッシュの時間、電車に駆け込んで乗った男子高校生がいた。
乗ったのと同時に扉が閉まり、『駆け込み乗車は危険ですのでお止めください』とアナウンスが流れている。
彼―飛鳥井柊一は、まさに自分のことを言われている感じがする。
柊一は、非業の死を遂げた者が災厄・祟りを起こさないよう管理している組織、御霊部の一員。
最年少の高校生だが、柊一は御霊部の中ではエリートである。
人数はたったの3人しかいないが、そんな御霊部に、今は危機にさらされている。
飛鳥・奈良時代から国家の団体組織に加わっているのだが、その団体から外されるという。
理由は、古い歴史を持つ御霊部。
古すぎて、祟りやら呪いやらを信じなくなった人が増えていった。
そして、時代とともに能力を持つ継承者も減少している。
跡継ぎが能力を失ったり、後継者を作らなかったりと…能力を持つ家系が徐々に絶滅しているところがあるからだ。
そして現在、御霊部のメンバーは3人、ということだ。
最初のコメントを投稿しよう!