確かめたいこと

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柊一はただ早紀子に電話をしたのではない。 話したいこと、聞いてほしいことがあったからだった。 「あのさ…そこって、鎌倉から近いんだよね」 《うん》 「これから鎌倉で仕事があるんだけど、もしよかったら昼飯、どうかな? 時間があるなら…」 ためらいがちに柊一が言うのと同時に、早紀子の友人―吉野萌が早紀子の肩を軽くつついてきたので早紀子は振り向いた。 ―家の人から? 萌は口だけ動かして早紀子に尋ねた。 「あ、ちょっと待って」 柊一にそう告げてから、萌に首を横に振ってみせた。 「飛鳥井くんからだよ。 これからまた仕事で鎌倉に行くんだって。 それで、お昼一緒にしないかって言ってるんだけど…」 「行ってらっしゃいよ。 飛鳥井くんが早紀ちゃんをご指名で誘ってきたんでしょ?」 「指名されてなんかないもん」 「いいじゃん! 会ってきたら」 萌に押されて、早紀子は柊一の誘いにのることにした。 「ごめんね、待たせて。 あのね―」 時間と待ち合わせ場所を決める中、隣にいた萌はうんうんと頷きながら微笑んでいた。  
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