歪んだ愛

2/5
前へ
/22ページ
次へ
今日、ここに騒がれながらも死刑が執行されようとしている。 死神と称された少年に本物の死が目の前に現れた。 少年の名は瀧嶋司(タキシマ ツカサ)。 わずか16歳という若さで死を今迎えようとしている。   1990/4/27/03:01 2100gという未熟児で誕生した。 やり手の女性社長の母と部下の父。 父は母と結婚してからは酒に溺れた。彼が誕生した時でさえ、酒の臭いを身に纏い病院に現れた程だ。 彼の母は服で隠れた場所にはいくつもの痣があった。 ドメスティックバイオレンス… その被害は容赦なく幼い彼にも振り掛った。 彼が九歳の時、両親は離婚した。彼の両親はどちらも彼を引き取ろうとはしなかった。 そして彼は両親の話し合いの結果、アルコール中毒の父のもとへ引き取られた。 暴力を振るわれる毎日。 彼が十二歳になったある日、父は数人の男性を連れてきた。 体を舐め回す視線が気持悪くて仕方が無かった。男たちは彼をはがいじめにし、父が見る中無理矢理回された。 精液独特の臭いが部屋中に充満する中、男たちが父に金を渡していた。彼は虚ろう意識の中、自分が父の酒代の為だけに売られたのだと理解した…。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

88人が本棚に入れています
本棚に追加