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PM22:00
街灯は暗くなった道を照らしだしていた。静寂を乱す一人の少女。
門限の22時を過ぎ、帰りたくない気持ちを抑えながら小走りで帰宅した。
家が見えると同時に仁王立ちしている父が目に入った。
「ヤバい」
そう思った直後父に見付かり家の中に無理矢理連れ込まれる。
家の中には平手の音が鳴り響いていた。16歳にもなって、父の膝の上で尻を出し、父に叩かれていた。
馬鹿らしい。
四年前に母が亡くなってから繰り返される『お仕置き』。
初めの内は泣いて許しを乞い、痛みに耐えきれずにただ泣き叫んでいた。
しかしこうしてお仕置きされるようになって数回目の時に、自分の腹に当たる父の男を知ってからは一切声を上げなくなった。
このお仕置きの後も私が1歳になった時から更なる屈辱が待っている。
ほら、今日もだ…。
「すまなかった葉月…。
父さんはお前のことが心配でたまらないんだ。
ロクでもない男に引っ掛かってるんじゃないのか?
嗚呼葉月…。
痛かっただろう…?」
ナニモコタエナイ
この後には必ずこの男はこう言うんだ。
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