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「……これはなんだ葉月?」
つねられた場所を見ると太股の内側に小さなキスマーク。
「どの男にこの汚い体でたらしこんだんだ??!!!」
腰の動きを早くし、私の中に欲望を吐き出した。
可笑しくてしかたがなかった。
(汚れた身体を手放そうとしないお前は虫ケラだ。)
「アハハハハハハハハハハハハハ―…‥」
そんな私を見て顔を歪め、顔と腹を蹴って男は風呂へ向かった。
男が風呂から出た後、私も風呂に入り、中に出された父の精液を掻き出した。
体と髪を洗い、そのまま部屋に戻った。
ベットに体を横たえるといつの間にかそのまま眠っていた。
「…キモチワルイ」
朝からトイレで吐き、もう出すものが無くなった胃はただ胃液だけを差し出していた。
(そういえば先月と今月、生理来てない…)
嫌な予感がする…。
不安を抱えながら保険証と印鑑とお金を持って近くの産婦人科へ向かった。
現実はいつだって残酷だ…。
「おめでとございます。妊娠五ヶ月目ですよ」
…あの男の子だ。実の父の子。だって…
「あの男意外としたのは十夜が初めてだったんだもん…」
そして葉月と十夜が出会ったのは二ヶ月前―…‥。
産婦人科を出て重い足取りで家へ帰った。
(どうしよう赤ちゃん…)
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