猫と猫

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静かな話し声、ワイン麦酒が出されている。 黒とリンの二人が椅子に座りカード ゲームをしている。何故か周りには 人が集まって来ていた。 黒「ワタクシの勝ちですわ」 Aのカードが4つ ポンとテーブルの上に置かれる。周りからは静かな歓声が起きた 人「スゲェ!6連勝してるぜ。あの、ねぃさん…」 人2「オーナーが負けるなんて久々じゃねーか?」 人3「おい、リンが美人に負けてるって?」 リンがニッコリ笑う。黒が溜め息をつく。 黒「ワタクシに依頼なさるなら、お勝ちになったら?」 リン「強運の女神ですね。人の心も読めるのですか?」 黒「…だと、したら…どうします?」 リン「掴めない方だ。勝負で僕が勝ったら。僕と付き合って下さい。一目で惚れました。」 黒の顔が歪む。男はクスクス笑う 黒「依頼は?」 リン「忘れました」 黒「ハメたな」 リン「どうでしょうね」 更にカードゲームを続ける。やはり勝ち続ける黒。 黒「長年の経験ですわ。諦めになったら如何です?」 リン「いいえ、諦めは悪いんです。こう見えて一筋なんですよ。…ほら、今度は僕の勝ち」 黒が、リンを睨む。 黒「続きを」 リン「勿論、まだ一勝しかしていませんから」 それが、オカシイ。表情も十分に分かる。勘も間違う筈もない。なのに勝てない リン「僕の25勝11敗…どうです?」 黒「何をなさったの?」 リン「君より経験豊富ですよ。僕の部屋、来てくださいますね?」 黒「…」 リンが笑う。席を立ち黒の横に来て、手をさしのべた。 黒「一人で歩けます」 パンと手を弾いた。リンが、楽しそうに黒を見ている  
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