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彼女の言葉に僕は、息を呑んだ。
『ふ、双子!?ということは、昨日会った泉さんと、今ここにいる泉さんは……別の人!?』
心の中でそう思った。
「じゃあ、昨日の泉さんはどこに?」
「私の家。本当は今日私と一緒に来る筈だったんだけど、風邪ひいちゃってね。昨日、『学校見てくる』って言い出して、学校から帰ってきたら、すぐに体調わるくしちゃって……。
なつは性格は強いんだけど、体は弱いの。だから、『無理しちゃ駄目だよ』って言ったんだけど……。」
「そんなに体弱いの!?」
「激しいことをしない限りそんなことはないんだけど。………そういえば、なつ言ってたわ、『屋上に面白い人おったよ』って。それってりゅう君でしょ?」
今の会話を聞くと明らかにその『面白い人』が僕だとわかった。
それに今更だけど、彼女の髪型が昨日のもう一人の彼女より少し長いことに気付いた。それに伴って、ようやく頭の中が整理できた。
それから僕は彼女に聞いてみた。
「あの、泉さん…………」
「私のことは、『華奈』って呼んで貰ってもいいよ。」
「では、改めて………華奈さんともう一人の泉さんはどっちが姉さんなんですか?」
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