彼、彼女
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私とあいつは、大学の先輩と後輩という間柄だった。 友達が私に彼を紹介して、それからなんとなく付き合いが始まった。 第一印象なんて特に覚えていない。 でも、覚えているのはときどきあいつが笑いながら私に訊く言葉だ。 「僕は、男と女どっちだと思う?」 その言葉を口に出すとき、口角は上げられたまま目は一人ぼっちの子犬のようだった。
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