何度目かの春

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「ぅあ、ぅああん…」 「春ちゃんだいじょうぶ?!」 「春ちゃん!!」 信也と直隆が駆け付けた。 「かおちゃんがな、かおちゃんがぁぁあ…」 「かおちゃんがどないしたんや?」 「かおちゃん、とうきょういってまうねん…」 「春ちゃんのあほ!!」 直隆の声が響いた。 それに続いて、信也の声がした。 「ほんまや、春ちゃんのあほや!!」 ポカンと2人を見つめる。 「なんで言わへんの?!」 「すきや、って言ったらえぇやんか!!」 「…うんっ」 .・*゜・。.・ 「かおちゃん、オレ、かおちゃんがすきです」 「春くん…春くん、ごめん」 「え…?」 「薫な、とうきょういくねん」 「しってる、それでもえぇよ」 「あかんねん…春くんがな泣いてまうのいややねん。薫も泣いてまうからいややねん…」 「かおちゃん!!」 「ごめんな、春くん…」 “かおちゃん"は駆け出していった。 その後も号泣し、信也と直隆に抱きついた。 その日から、何かあった時は駆け付けるようになった。 思い出した、何度目かの春。  
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