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いきなりの、特命?
二年ぶりだけれど、遠慮しない物言い。
「な、何なりと……」
あたしは高まる気持ちを抑え、やっとのこと返答した。
「本旨は、口外無用だ」
生唾をごくりと飲む。
部屋の外に控えている佐吉も、この空気、きっと感じ取っている。
この黒谷のお寺は、知恩院と共に、お城の役目も果たすように作られた寺院だと聞いた。
なるほど、造りが城とよく似ている。
小高い山上に本殿。
周辺はぐるりと、森林が囲み、自然の要塞か。
門を通らないと、こちらまでは来れない。
このような場所に詰めていて、
ここまでくる途中の京の様子から推察するに、治安も社会情勢も、思っていた以上に複雑そうだ。
殿……。
サクラは、きっと、
このために殿のお側にお仕えしていたのですね。
「サクラには、壬生の新選組の屯所へ行ってもらう」
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