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だから、此度のお呼びだし、あたしは本当に嬉しかったの。
この激動の時代に、あたしは“女の子”でいたくなかった。
肌で感じる、時代の流れ。
この二百五十年間動かなかった空気がゆっくりとうねりをつくる。
そんな時代にあたしは生まれた。
しかも、殿のお側にいられる。
ぬるま湯に浸かっているのがいやで、あたしは上洛を言い渡されるや否や、佐吉を連れて鶴が城を飛び出したのだった。
あたしはゆっくりと歩き出すと、
「佐吉」
佐吉は、黙ってあたしの後を着いてくる。
「あたしは、今しかできないことを、やりたいのよ。
殿と…、会津のためにね」
佐吉はなんだか納得のいかない顔をしていたけれど、それ以上、この話題を出すことはなかった。
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