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俺はチャットをしている。
……。
……。
(なかなか人来ないよな~…)
(おっ!!…来た来た♪)
(ハンネは「りん」か!)
{ばんわ~♪}
(返事あるかな?)
{こんばんは~}
(あるじゃ~ん♪)
………………
………………
{メールしよう(笑)}
{いいよ~}
(案外普通にメールできるやん)
俺はそれから「りん」とたくさんのメールを続けた。
この事は誰にも言ってなかったのだ。
時が進むと色々な情報を交換していくのだ。
彼女が年上だということ、俺が16に対して22であるということ名前についても聞いた。
名前は「りん」ではなくて「梨々子」であった。
彼女の髪は茶色でいかにもお姉さんタイプで時々そんな写メを見ては俺は微笑んでいた。何故って?好きだからだろう。
いつの間にか愛し合っていた。
もちろん遠距離恋愛だ。
「奏輝のお嫁さんになるんだ~」
「いいよ~(笑)でも夜寝れなくなっても知らないよ(笑)」
それにしてもとんでもない会話だ。
まだ高校二年の分際で結婚宣言をしていたのだ。
いや…むしろ愛し合ってるならそれも当然なのかもしれない…
ある五月の始めの事である。
俺はバレーを今日も頑張っていた。
総体で活躍をするために毎日練習をしていた。
そんな日の夕方メールを「梨々子」に送ったのだがなかなか返ってこない…
返ってきたのは次の日であった。
どうも体調が優れなくて病院に行ったらしい。
その後俺は写メをスクリーンセーバーにしていたため「梨々子」が出てきて微笑んでいた。
メールがなかなかできなくてつまらなかった。
何の病気かよく分からないがあまり良くないみたいだった。
俺は携帯でチャットをして楽しんでいた。
突然見た事も無い子がチャットで話しかけて来たのだ…
…
「梨々子の彼氏だよね?」
「うん…そうやけどどしたん?…」
その時確かに俺は変な気持ちがしていた。
こんなツマらなく粗末なベットの上で、訳も分からずに更新のボタンを何度も押して待ち続けていた。
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