1人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
「――鳥みたいにさ、
翼を持って飛ぶのは
駄目なの?」
とける…って、
居なくなってしまう。
そんなイメージ。
「…ああ、そうよね…。
でも、
私は翼を持てないから…。」
初めてだった。
彼女の、
こんなにはっきりした
拒否は。
「…翼を
持てないからって…?」
私は、
彼女を真っ直ぐ見つめ、
聞き返していた。
こんなに
かすれそうな声、
初めてだった。
すると、
彼女はその柔らかい笑みで
こちらを見つめ、
「だって、私は堕天使だから。」
西日の反射は、
皮肉にも彼女の背に
――翼のように当たっていた。
最初のコメントを投稿しよう!