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「は、はは…そんな冗談がオイラに効くわけ…」
「私に殺される方がお気に入りみたいね」
その言葉に、冗談など微塵もない。
それは誰より、プチデビルが一番理解している。
「ま、待って……」
「人間に攻撃を仕掛けた事、きっちり償ってもらうから」
少女は刀を抜き放った。
その銀色の刀身が、威圧感をさらに高めた。
「さようなら…もう二度と会う事もない」
「ひっ……!?」
プチデビルは恐怖のあまり逃げ出した。
が、
「何処に行くの?」
「あ……?」
プチデビルは確かに少女のいない方に逃げた。
現に逃げる前には向こう側にいたはずだった。
しかし、自分の目の前にいる。
まさに一瞬。
まばたきを一回している時間に、移動したぐらいの速さ。
もはや不可視の領域に入るほど、少女は速かった。
「あ…あ……」
「来世では幸せに」
少女は、あっさりとプチデビルを斬り捨てた。
それも一瞬。
一体いつ斬ったのかがわからないぐらいに。
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