契約

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そして全ての授業が終わり、直也は帰宅すべく教室から出た。 「…早くしないと、また捕まっちまうな」 「誰に?」 直也の肩を、誰かが掴む。 声でわかった。 零那だ。 「うっ…」 「何その反応!!そんなに私が嫌い?」 嫌いと即答すれば、おそらく平手打ちが待っている。 というより、別に嫌いなわけではない。 この話を早く終えたいがため、零那を避けてるのだ。 「いや、別に…」 「じゃあ、好きか嫌いかどっち?」 「普通だ」 想像より痛い拳が、腹にめり込んだ。 直也からすれば、なぜ殴られなければならないのかがわからない。 「どっちかって聞いてるでしょ!?もう!!」 「だからって、殴る事はないだろう……?」 零那は超絶的に不機嫌な状態で帰っていった。 それは良かったのか良くなかったのか。 よくわからない気分だ。 「い、痛ぇ…」 直也は殴られた腹を押さえながら、校舎をでた。
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