24996人が本棚に入れています
本棚に追加
そして全ての授業が終わり、直也は帰宅すべく教室から出た。
「…早くしないと、また捕まっちまうな」
「誰に?」
直也の肩を、誰かが掴む。
声でわかった。
零那だ。
「うっ…」
「何その反応!!そんなに私が嫌い?」
嫌いと即答すれば、おそらく平手打ちが待っている。
というより、別に嫌いなわけではない。
この話を早く終えたいがため、零那を避けてるのだ。
「いや、別に…」
「じゃあ、好きか嫌いかどっち?」
「普通だ」
想像より痛い拳が、腹にめり込んだ。
直也からすれば、なぜ殴られなければならないのかがわからない。
「どっちかって聞いてるでしょ!?もう!!」
「だからって、殴る事はないだろう……?」
零那は超絶的に不機嫌な状態で帰っていった。
それは良かったのか良くなかったのか。
よくわからない気分だ。
「い、痛ぇ…」
直也は殴られた腹を押さえながら、校舎をでた。
最初のコメントを投稿しよう!