新学期

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「さくらー!早く起きなさい!学校に遅刻するわよ!」 「分かってるよ…うるさいなぁ~。」 日野さくらは部屋のドアを激しく叩く母親の声で目が覚めた。 「ほら、早く歯を磨いて朝ごはん食べなさい。全く…高2にもなって…」 まだ寝惚けた顔のまま頭をかきながら朝の食事をとる。 「食べたらさっさと着替えて学校行きなさい!今日から新学期でしょ!?」 「ごちそうさま。」 急いで制服に着替え、髪のセットもそこそこに家を飛び出す。 「あぁ~、完全に遅刻だよ~。」 走って学校に向かうさくらを横目に追い越していく自転車通学生が恨めしい。 「さくらー!おはよー。」 後ろから声がした。振り返るとクラスメイトの小野田紗季だった。紗季はさくらに追いつき並んで歩きだした。 「おはよー、紗季。全く新学期なんてめんどくさいよねー。」 「でもうちらのクラス今日から新しい先生になるみたいだよ?けっこうイケてたって。」 「マジ?前野のクソジジイぎっくり腰で入院したってホントだったんだね。」 そんな話をしながら学校へ向かう。遅刻ギリギリだ。さくらと紗季は走りながら校門をくぐった。
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