新学期

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教室に入るとみんな席から離れ話をしている。大人しく席についている奴なんて真面目な委員長ぐらいなものだ。 「おはよーさくら。遅刻ギリギリじゃん。」 他のクラスメイトと話をしていた木下ゆかりが話しかけてきた。 「久しぶり、ゆかり。元気してた?」 しばらく話しているといきなり教室の扉が開き、見たことのない男が入ってきた。なんだか冷めた表情の若い男だ。出席名簿などを持っているところを見ると、とりあえず教師だ。 「みんなー席につけー。」 その言葉でみんなダラダラと自分の席に戻る。皆が席に戻ったのを確認し、男は話だした。 「まずは先生の自己紹介からするぞー。俺の名前は斉藤真司だ。君達の担任、前野先生が入院したため変わりにこのクラスの担任をつとめる。君達の名前は早く覚えていけるように頑張るからよろしく。それと今日から君達のクラスメイトが増えるぞ。」 その言葉に教室はざわめく。 さくらは、だから誰も座ってない席が二つあるのか、転校生は二人なのかなと思った。 「はいはい、静かに。そんなざわざわしてたら二人が緊張するだろ。おーい、入って来てくれ。」 一人の男子と一人の女子が入って来た。
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