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アイとの出会いは ぬるま湯に浸かっていた俺の人生を大きく変えてくれた……。
彼女の話を聞いても、俺は決して彼女を見下して見ることはなかった。
彼女の言葉は純粋で、素直に信用できた……。
俺は彼女とすっかり意気投合して、盛り上がった。
彼女と出逢ったことで、時間はあっという間に過ぎていった……。
しばらくして俺が時計を見ると、いつの間にか23時を回っていた。
終電で帰るならそろそろ店を出ないといけない時間だった。
時計を気にしていた俺に彼女が気づいた。
「……時間大丈夫ですか?もしよかったら私の家に来てもう少し飲みませんか。私の家すぐそこのマンションなんです……」
思いも寄らない展開に俺の心臓はバクバクだった……。
女からこんなことを言われたのは勿論初めてだった……。
相手が娼婦だと分かっていても、俺は嬉しかった……。
しかし、不安もあった……。
もし彼女の部屋に行って男がいたら……。
娼婦の男はヤクザかチンピラと相場が決まっている。
金を取られるか殴られるか、危険な匂いも感じた。
しかし、彼女の眼は俺を騙そうとしているようには見えなかった……。
俺は人の目を読み取ることには自信を持っていた。
楽しいことに危険はつき物だ。
この瞬間、俺は退屈な日常生活を打破できるような感じがした。
考えた末、俺は彼女の話に乗った。
もっと彼女と一緒に過ごしたい……。
俺は心からそう思った……。
時間を忘れ、俺は彼女と店を出た。
【続く】
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